後継者の育成(建築大工)を心がけて20年あまりが経つ、きっかけは熟練工のマナーやソフト面の悪さ、いくら言ってもその場は良いが、直ぐに自分本位になる、それにこれからの「すまい手」のニーズに対応できる頭の柔らかさ等、将来を見据えての行動。
後継者の育成と言えば聞こえは良いが、今日まで支援や援助はまったくなし、一工務店が自力で育成するのは大変なこと、随分皆から反対された、それでも先々将来の事を考えたらどうしても育てなくてはならない、本当に大切な手加工・手刻み、手づくりのすまいづくり……木の文化の継承・不思議なやすらぎの木の住まい・増改築や古民家の再生リノベーション等。
今まで自分がこの道一本でやってきたすばらしい職業と培ってきた技術すべてをこの世に残すべきと思った、当初は人集めに四苦八苦した、いくら募集しても実績のない一工務店には見向きもしてくれなかった、いろいろ手を尽くして、やっと入ったと思ったら直ぐに辞めてしまうこの繰り返し、何度諦めようと思った事か、とにかく人集めに閃いたことは男女問わず募集を行った事である、当時男女均等法が施行されない何年も前の事、(相乗効果の期待も…)すると女性が二人入って来た、一時の喜びで彼等も僅か一ヶ月足らずで辞めてしまった。長くても1〜2年で辞めて長続きしなかった、そしてある日現場で仕事していると一報が入って来た、「変った女の子がチャリンコで面接に来たから帰って来て」……容姿を見るなりびっくり、丸坊主に黄金の髪、ジャージ姿に鋭い眼光の持ち主、一瞬立ち止った記憶がある…その女性が今、ふじまるを支えている…