投稿者アーカイブ: 藤丸 直行

空・色

 人には悩みや悲しみや悲痛な思いがある又行おうとしてもどうしても出来ないことがある…、本当は努力や精進をすれば出来ることが大半と思うが…人は何処かで怠慢なところが必ずある、そんな落ち度から這い上がるには、全ては自分との戦いである。

 すまいづくりも奥が深く、随分悩んだことです、ややもすればこの刹那でも落ち込むことはある…、今はなれた物でそうした逆境の時にこそが良い教育となることが多い…いや…そう云う風に自分に言い聞かせているのかもしれない…、まだまだ未熟物。

 今又若者達に連れられゴルフをはじめ、練習の日々、うまく行ったと思うと、一瞬のうちに悩み…ぞん底、これでもか、これでもか…と思うところまで行くと、次の日にはパー…と明るくなっている、正に『空・色』の連日、何時の日か落ち着いた時が来るよう…たゆまぬ努力をしている昨今です。

心のやすらぎ

 人はいろいろな場所や行動でこころのやすらぎを感じ身体を癒している、秋が深まり今から紅葉がはじまる、先日耶馬溪を通った時はもみじの葉は青く、ケヤキの葉が落ちているぐらいでした、1年前は紅葉時期に通ったからものすごく美しく、立ち止ってこころの癒しを感じたものです、山の紅葉は美しいのですが一時もすれば葉が落ち寂しい木立に変心する、何故か落葉樹の葉が落ち枯れた様になった頃が木材の伐採時期でもある。

 今から出てくる原木は丁度この時期にあたり色艶が良く、虫が入りにくいと言われている、この山積みされた原木を眺めるだけでも心がやすらぐ思いがします。

 私の父は昔伐木師で、稲の取り上げが終わった頃から、人里離れた山に泊り込みで伐木の仕事をしていた。

 山の小屋は夜になると寒く又何者かが来て屋根を揺らして眠れない、そんなときは鋸の目立てをする、ヤスリの音が嫌いらしく逃げていく。

 そう云う話を家にいる時、一心に鋸の目立てをしながら話を聞いたものです、今思えば家族のいる家の中の暖かい囲炉裏の傍で鋸の目立てをしている時が父のこころのやすらぎであったように思える。

 時が経ち昨今では大型機械が伐木をしているので、時期を問わず伐採するのは一寸寂しい気もする、林業も後継者が育たないから仕方がないようです、1・2次産業にもう少し憂いがあればと願うばかりです。

中心

 安全にアフターするには、例えば台風時や強風時に瓦や外壁が飛んでも、雨が漏らなくて2次災害が起きないようにすれば良い、その為には外断熱が1番良い、台風が通り過ぎて点検すれば安全である。(現代は防災瓦使用でステンのビス止め)

 内断熱・床断熱の時に床鳴りの手直しに行って床下に潜って究明にあたったとき、当時の断熱材はグラスウールその物を使用していた、その断熱材を掻き分けるときに断熱材の微粒子が咽に入り苦しい思いをした時に、何とかしなければ…

 手づくりのすまいづくりは月日がかかる、特に冬の厳寒時は手が冷たくて良い造作が出来ないことがある、厳寒時に気持ち良く造作が出来たら、さど‥楽しいだろう…その為には外断熱が良いことになる。

 構造材の表しや造作材に地域材の木材100%をふんだんに使用するにあたって、引渡後の反り・ねだり・くせりを最小限に抑える為には、勿論乾燥材が不可欠であるが、もっと大切なことはどんなに良い乾燥木材を使っても、家の中の温度が一定になることが必要です、つまり、家の中の何処に居ても湿度が同じと言うことです、反り・ねだり・くせりは湿度が裏表で違うと起こります、何十年何百年経とうが、家の中で温度が違えば湿度の差が生じます、せっかく丁寧に墨付け刻み・造作をしても、綺麗さの維持と床鳴りなどの不具合から逃れることは出来ない、その為には外断熱にして性能を上げることです。

 一生懸命に造った建物、この仕事に安全にそしてものづくりの喜びを感じて、長続きをしてほしい一念で自然素材の表しや手加工・手づくり・外断熱などなどは彼ら後継者育成を中心に考えたすまいづくりが、偶然にも皆さんから喜ばれる事になった。

15年

日本の木造住宅を一言で言えば、人間との共生にとってどんな工法の住宅より1番優れている…と言う事…かな。

 木造住宅は健康や製造・解体時のCO2排出量を考えても、一番優れている建物であることは揺るぎない事実です、ところが昨今伸び悩んでいるのも事実です、その原因は、木造は冬朝起きて寒い底冷えがする、窓に結露はあるカーテンがびっしょり濡れる、床鳴りはする(ムク物1枚貼に多い)、デザインが悪い、ソフト面で大工職人や左官職人のモラルの無さ、監督が言う事を聞かない、維持管理が悪い(30年で倒産する業者が多い)等上げればきりがないくらい多い。

 こんな現状を15年前から自然素材1本と若者の育成を取り組み、新しい住宅づくりを始めたが思うように行かず、行ったり来たりの繰り替えし、オリジナルの外断熱工法を始めたのが11年前、その頃から性能・品質・感謝の指針が出来始めた、当時の御施主様にはいろいろ御無理を言って御協力をしていただいた、データ(ホルムアルデヒロ・一酸化炭素・二酸化炭素・窒素酸化物・気流の動きその他)を取るために、暑い夏の時期に窓を閉めて生活をしてもらったり、ある御施主様には3年も4年も床下(温湿度)のデーターを取るのにご協力してもらったり、感謝の気持ちでいっぱいです、勿論失敗もありました、未熟な若者と未知数な施工をしたせいで新築時から台風により雨漏りの連発、原因の究明には相当の時間と労働を費やしたこともあった、15年経った今も最良の住宅づくりに葛藤している毎日です。

夏盛りの上棟

この一週間に2棟の上棟があり4日間屋根に上がる、さすがにこの一週間は夏盛り各地でも猛暑続きの日々、若者に負けじと頑張ったつもりが翌日にはシップの箇所が…

家建ての日は、まず氏神様に頭を下げ一日の安全を祈願することから始まる、それから会社に付く間に天気とか今日の担当の棟梁とか、今日のメンバーとかにより、朝礼の言葉も微妙に変わってくる、場合に拠っては朝から昼食なしでハイピッチで行う場合があったりする、(午後の天気次第)要するに怪我をさせない様に最高の状態に持って行き、無事に上棟や屋根仕舞いを終了させるのが私の務めである、担当の棟梁も疲れるが私も上棟はさすがに疲れる、事が起きては皆に申し訳ない、この日だけは少々の事があっても参加せずにはいられない。

この二棟も無事に上棟祭の祝詞を棟梁等に拠って執り行う事ができた、直会で酒肴を頂き乍年々上達して行く若者達面々と木組みの美しさを眺めながら、今回も無事に終わった…胸中では…神仏に合掌…

「まーちゃん・たみちゃん」

コメント遅くなりましたがありがとうございます、今度お誘いいたします。