投稿者アーカイブ: 藤丸 直行

棟梁に託す

 人は育った環境により随分性格が変わるもの、私も小さい時から親の言う事は良く効いていた方です、それが正しいものと思っていたからなおさらの事、いったん社会に出れば親の云ってきたことは何か矛盾を感じる事がたまにある、戦時中の時代と今現在では事象が違うということである、昔の棟梁と今の棟梁の考えも違うようにある、今のようにいろんな工法や構造・種類の多い木造住宅がある中で、人や地域・場所・時代を考えた時の1番良いすまい造りはやはり一つしかないと思う、この一つしかない答えを迅速に出して造って行くことが今の時期の棟梁達であり、これからの住宅業界を背負っていくことが出来る人材であると信じている。来年は二人ぐらいは棟梁に昇進…

県産材

 外材から全て県産材に変えたのが今から17年前、大分県の杉の生産量は全国で2番目、態々無駄な経費や環境汚染に繫がる(運搬時の炭酸ガスの排出)外材を使う必要はないと思った、県産杉は色や艶・靭性・強度・香り・性能どれをとってもすばらしい事ばかり。

 特に檜の香り・杉の香りは気持ちが良い、因みに嗅覚だけは大脳辺縁系(中間脳で脳の発電所といわれている)にダイレクトに行き偏桃核から前頭葉に行き、気持ちを抑えたり、やるどという気持ちドーパミンの分泌を促している、その為杉は天井に貼ると就寝の効果があり、床に檜を貼れば脳の活性に効果があることは事実です、また壁に珪藻土や漆喰を塗ると調湿は勿論、アンモニアガス等の分解をします、杉板のみで調湿を考えたら窓を閉じた状態を推定してみれば60mm以上の板をぐるり周りに張る必要があるとの事、木材目視率は人によって異なるが、見えないところでも出来るだけ多く木材を使うと保温力や調湿の効果があります、我が社こうした理由で多くの県産材を使っている(普通の木造住宅の2倍ぐらい使用している)

 木造住宅の歴史は1500年、ハウスメーカーは40年、ツーバイフォー(プラットフォーム・フレーム・コンストラクション)はせいぜい70年程度の歴史しかない、循環型で長持ち・長生きするすまいは、やっぱり木造住宅を置いて他にない。

木繋会(きずかい)2代目の集まり

 この程大分にも工務店の会『木繋会』が発足した、この会は地域材を使った7社の工務店の会で、偶然7人が2代目で跡を継いでいる状態です、年齢も30〜40代で若くて元気があり優秀な2代目です、(我が社は?)この7人が本当に切磋琢磨してすばらしいすまいづくりを続けて行くことで、地域の活性化や環境面、勿論御施主様の維持管理や・アフターサービスに於いての迅速化など数々の利点は山積み状態、しっかりした事業計画や勉強会を重ね大きく成長することを望んでいる、幸いにも皆が仲間意識が強く前向きである事が大変嬉しい、『限りない栄光へのロマン』将来に向かって頑張れ!

屋久島の旅

 ヤッター思わず配偶者の手をとって、目的地に着いた無量の感慨と目の前にそびえ立つどっしり座った杉の木(縄文杉)とは思えない何か威容なものに圧倒されてか…、感情が高揚し目頭が熱くなった、見上げれば薄暗い中で、長く伸びた枝をつたった大粒の雫が顔を打つ、やっと登りつめた自分達に労のねぎらいか歓迎か、間違いなく枝をつたった大粒の雫は鮮烈に自分の顔を狙って次々と気持ちよく降りてくる、その刹那に煩悩は我を忘れて果つる心地に…

 6時間かけて登った(通常は5時間)登る時から雨が降り一時は雷に遭い1時間に50mmの雨に見舞われた、直ぐに増水し川となる、ただし引くのも早いとのこと、たった一度だけ切り倒され朽木した大木の株π5〜6mの中で写真を撮ろうとしたとき、太陽の日差しが一瞬射した、まるで御光明のように株の中一点を射しその瞬間を撮る事ができた、それ以外は殆ど雨の中。

 山登りは40年前大船山以来、日頃から体を鍛えていない私達夫婦は途中何度も立ち止まり2.5時間でぐったり、最後までは無理と思っていたが、皆の力で押し上げて貰って感謝している、それとも樹齢4500年以上の樹木の森の力か何かか…不思議でたまらない中、何度も二人で喜びを味わった事か。 ありがとう

新入社員(大工)

今年も新入社員が6名(大工志望)入社した、早2ヶ月が経ち早くも一人脱落した、初めての社会人,特に大工職人は1〜3年は厳しい、学生時は授業料を払って教えを乞う、大工職人は、教えてもらって給料を戴く、(先輩たちの援助やその他の方の援助があってこそ)職人の報酬とは足跡と御施主様から感謝されたときに初めて戴いて喜びと実感が涌く。

教えることは、まず大分の木造住宅の現状(全ての面で揺るぎない優れた住宅なのに何故低迷しているのか?)から始まり会社の指針・これまでのプロセス・マーケティング・マネジメント・作法・年間行事等その後、道具の手入れから刃物の研ぎ方、機械の扱いを教えて、大方理解が出来るようになったら、各棟梁に付けて現場に出る、上棟時は皆参加させる。

石の上にも3年というように「3年は我慢しなさい」、3年経てば理性が目覚める、後は本人次第の努力で殆どの望みは叶えられる、昔は運が5〜7割とか云う人がいたけど、今の時代は運が1割もないような気がする、泰平な時代に生まれた若者達、欲望の対象とは…今こそチャンス邁進してほしいものです。