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アルプ出展への想い

 今、手刻みや手加工といった仕事こなせる大工職人が激減している、新築・増築・改築・古民家の改修も木の家の存亡が危機ににさらされているのです、木の家の良さは何事においても最高(健康・省エネ・環境)なのに後継者がいない、そんなことを言い続けて早20数年経った、当時5Kといわれた職種に若い人達を集めるのは苦渋の選択でした、そのうえ入社しても直ぐに辞めてしまう、どんなに将来性があっても、存在の意義があろうと、又言い聞かせても理解してもらえない、(指導する自分の未熟さも大いにあると反省の山・・・)今も棟梁にもう一歩というところまで来て辞めていく若者もいる、せめて棟梁になってから辞めて貰いたい、そういう事をいつも言っているのですがそれも解かってもらえない寂しい思いもあります。

 後継者育成は大変なことですが、確実に存在の意義や価値を知り地域に何を提供するのか分ってきた棟梁等や見習いは増えて来ている、良い職場には良い人たちが集まるものです、今年は営業も増えバランスは相当に取れてきたように思う、こうした頑張る若者達にいつの日か「陽の目」を拝ませてやりたいそんな意味も込めてアルプの出展を決意した。小さな一工務店が総合展示場に参加するのは資金面で大変であるが、協力業者の皆さんに協賛戴き、全社員の手でプランや計画を立て施工しどこよりも早く完工出来た、途中私に何度か聞きに来ることがあったが、その都度「失敗しても良いから思い切りやりなさい、失敗しても次の糧になる」・・・と、工事中数回程足を運んだ、若者達は皆生き生きとした表情で作業をしていた、出来上がりを見て本当に感性の籠った素晴らしい建物が出来たと心から思っています。

 アルプの常駐に関しては、我が社で建てた住まい手の御施主様(ふじまるファンズの方々)が来場者のコンセルジュに当たってくれています、10名以上の方々が交代で案内役を務めてくれているのです、これは本当に素晴らしいことです、心から感謝しているし御恩はわすれられない。来場者の集計では2番目相当に多いと聞きお客様の評価も大分良いようです、コンセルジュの皆さんは木の住まいの気持ち良さやその他をよくご存知です、今後ともよろしくお願いします。

                                                                                                                    

親父

 昨年の8月に親父が脳梗塞で倒れ今年の7月に天国に旅たった、倒れた当初は1週間がヤマ場といわれたが、みんなの努力の甲斐があってなんとか会話を交わす事が出来、自分で食事をとるまで回復した、後はリハビリだけの状態、元々90才まで大きな病気はしたことがなく帯状疱疹で1度だけ病院にお世話になった、それほど頑丈な体をしていた腕の大きさも一升瓶より大きいと自慢していたが、闘病生活でみるみる細くなった。筋肉の硬直を防ぐため毎日のように手をさすり・揉みながら筋肉の堕ちて行くのを感じた、思い残すことのないよう子として最善を尽くしたつもりでいる。

 会社では後継者育成という大義名分を掲げているように、若者達に良い手本を示さなければと思い、子が親の面倒を見るのが当たり前であり決して珍しいことではない、そんな風な立ち振る舞いを皆に見せた、又親があり自分が生かされているという事実も感謝し、親への恩義を忘れてはならないでほしい、わが身・わが心は親からの授かりもの御先租様のお蔭と大切にしていかなければならない。

 親父は労働を美徳と考え倒れる90才まで働いてきた、汗を流すことにより生活の糧を得る大切さ、働くことにより心は成長する、非凡な人間も何時しか高邁な人へと変貌する、この教えはありがたく思っているし実行して行くつもりでいる、だから今も忙しく親父の事を懐かしくな〜て思う暇がない、ただ家に帰れば合掌するぐらい。

 今年も色々あったがあっという間に残す2か月となった、ALP(アルプ)のオープンも残す一月足らずいつの間にか全社員や協力業者の皆さんのお蔭で工事の進捗も問題ないようです、皆で造った住まいの完成を楽しみにしている。

 

 

物言わぬ素晴らしいもの

 父親が倒れて今年から田畑を引き受ける事になった、特に田んぼは荒らすと近隣に迷惑がかかる、それ以上に今まで親父やおふくろが培ってきたものをたやすくやめるわけにもいかず、今年は田起こしから肥料や除草剤その他を独りで行った、元々苗植えは毎年私の担当でしたから問題はない、田起こしや代かきは初めてである、見よう見まねでしているとありがたいもので近隣の方がこうした方がいいよ等又差し入れを戴いたり励ましを受けて無事に田植えを終えることができた、昨年は苗がまだらに成長して恥ずかしかったが今年は肥料も気遣いながらやったし、代かきも近隣の人からおそわったりしたので、ムラのない成長が期待できるようです、手を掛けてやるほど良いものはできる、これはものづくりの原点であるし、生き物に対して大切に育てる想いが通じれば、「物言わぬが」素晴らしい物が出来ます。

 何でもやる以上は「良いものを絶対に造る」そうした姿勢が大切と思う、住まいづくりも生き物です、生きた住まいは中に入った瞬間に何とも言いようのない気持ちのよさを感じる事ができる、それは真剣に造った住まいほど増幅してくる。

 木の住まいは本当に難しい毎日一所懸命取り組んでいるが、湿気による収縮やそれどれの育った土地による癖や変形・色合・あく等化粧として使っていくうえで大切な見極めだらけ、1本として同じ物はない、それは自然から生まれたものだからです、毎日違う環境で木は酸素を作りながら成長します、切った後も形がある限りしっかり炭酸ガスを閉じ込めています、どんなものより優れた環境に良い建築材料です、又解体時や施工時に必要とされるエネルギーも鉄骨造やコンクリート住宅から見れば微々たるもの省エネでも断トツです。

 私は昔金魚鉢を木製で造りガラスケースの金魚鉢と同時に稚魚を飼育したことがあった、1週間で大きさ変わりはじめ2週間では相当違ってきました、酸素も入れないで大きくなっただけでなく、なんと氷が張った状態でも越冬できました。

 よく子ネズミで実験したデーターはあります、鉄の箱とコンクリートの箱そして木の箱、勿論1番長生きして大きくなったのは言うまでもなく木の箱でした、生き物はネズミも金魚も自然の中から生まれたのです、自然の中で生きることは何も珍しくはないのです、当たり前の事です、人も自然素材の中でくつろぐ事は自然のなかにいる事と同じように気持ちのよいものです。

 我が家も増築してすごく気持ちよさを堪能しています。

 

 

 

 

 

 

 

継続

 久しぶりに書くというか伝えるというか、私にとってブログはチャレンジです、何故かしら今年に入り覚えることが山ほどあり5月の連休も1日も休まれないそんな日々です、今でも毎日することや新しく覚える事が多く頭脳の回転が悪い自分には大変です。

 皆に言っていることは真剣に作業をしなさい、どうせ1日仕事に出たなら真剣にして皆から好かれ、仕事を早く覚えた方が得ですよ、それを毎日繰り返せばやがて素晴らしい棟梁になるし、多くの人から慕われるようになりますといっています、それは継続するという事ですが、工務店も30年も経てば多くは廃業か倒産しています、工務店の継続は跡取りや後継者の育成を如何に早くから考えているかです、幸い我が社は跡取りがいますかといって安心はしていません、来年は65歳になるがまだまだ若い人に負けたくないから事務職より肉体労働をしたいとそのように思っている、先日も上棟に行って金槌を振ったのですが明らかに耐力や筋力が落ちているのがわかる、棟上げの日はどんなに寒くても暑くても関係はない、目覚まし時計もかけたことはない遠近により5時〜6時には必ず目が覚て朝食を食って出る、月に1〜2回程の棟上げも45年続けた、行かなったのは入院中と出帳の2日のみ、これからも継続していくつもりです。

 ブログの継続は頭が悪いから難しいと思う、なかなか想いを伝えることができないし表現の難しさもあります、ただ何名かの人たちが読んでくれています、そのことを思えばこれからも途切れないように(反省)伝える努力をいたします。

 

 

 

 

目を覚まそう

 

 人類は長い間再生可能な資源の使い方をしてきました、しかし今は自分たちのよりよい快適な生活の為に、山を削り地下を掘り限りなく地球を痛めつけています、快適というプラス面を求めればそれに伴ってマイナスの面が必ずついてくる。

 環境破壊の上に成り立つ物質文明がこのまま進めばやがて人類や自然が行き詰まってしまうのは必至です、どこかでバランスを取ろうという宇宙の動きが必ず働くはずです、近年頻発する災害や異常気象などはそうした自然からの警告なのかもしれません。

西洋のように人間と自然を対立軸で捉えるのではなく、お互いに一体と捉えて融和させていくところに東洋の思想のすばらしさがあるのです、西洋化学は人間が自然をコントロールできるものと考えてきましたが大自然の脅威を前にした人間は限りなく無力です。

 微力ながら私達ができることは再生可能な資源、特に国産の木材を多く使用することです、戦後大量に人口植林した70年物の木材は光合成が相当低下しています、(若木は老木と違って光合成が盛んです)、今伐採をして新しく植林する時期が来ているのです、それでも安い外材の輸入は止まらないのが現状です、メーカーの間柱や桟木は全てホワイトウッドです、構造材は相変わらず米松が主流です。

 我が社は後継者育成と共に国産無垢材を使用することは随分前から取り組んできました、今では若者たちの技術の向上と波長を合わせるように国産無垢材100%の住まいづくりが完成いたしました、このことは元々根本である自然と共生するという事です、逆に自然と遠くなればなるほど人間や生き物のすべてがストレスを感じ身体の不調が増幅するといわれています。

 環境・省エネ・健康にバランスの取れた自然素材100%の住まいは今では非常に価値のあるものです、住まわれた御施主さまからアトピーや喘息・花粉症がでなくなったなど又生け花や切り花が長持ちするし正月のお餅にカビが生えないなど沢山良い話を聞いています、自然の中から生まれたすべての生き物は自然の中で生活するのが当然一番いいのです、「人」が「為」すことは「偽り」なのです、今がよくても必ずしっぺがえしが来ます。

 これから起こるであろう自然災害に対しても先を読み、真剣になって対応する住まいづくりに邁進する所存です。