秋は田んぼの稲の収穫、それが終わりそれから山に行き今度は木を伐採する、そうした農林業営む人も戦後は多かった私も小さい頃から親父に連れられ、よく山の手入れに行った、秋口から伐採された木は木肌が美しく虫が入らず、腐れ難い、この木材を1〜5年寝かせて使用することは当たり前であった、今は残念ながら人手が足りず、いや"後継者が育たず機械にたよらずには入られなくなった次第、だからいつでも伐採して乾燥釜に入れて出荷しているのが現状(一般に言う人口乾燥材/KD材とも言う)、ある日この高温乾燥構造材を刻んでいたら、端っこの10センチぐらいでも鋸を締めて(通常の切り口は開くのが常識)動かなくなったのを見て、「こりゃ〜可笑しいこんなことは初めてこんな材料を使っていたら若いもんが何時か大怪我をする事は目に見えている」…
強度は関係ないとは言うが、人口乾燥材特に高温乾燥を幾日も行った材料は、鋸引きだけでなく、ノミ切れも悪く、刃こぼれをする、おまけに炭の匂いがして中割れを起す、こうした材料で後継者の育成は出来ない、若者が育ち始めたら今度はそれなり見合った木材を提供しなければならないと思い、良材の仕入れにいろんな森林組合や製材所を廻った、この時大分にはグリーン材(切ったばっかしの生材)ではあるがすばらしい木材が無尽にあることに改めて感じた、目的の自然乾燥をした色艶・匂いの良い構造材は直ぐに手に入る状態ではない、自然乾燥の構造材は年月を有するその為何処も当時は取り組んでいなかった、経営上厳しいが自社で自然乾燥をするほかなかった、彼等のため、住まい手のために何年か分の自然乾燥をはじめた。
一流の職人に育てるには一流の材料がいる、大分県の海は関サバ・関アジ・臼杵ふぐ・城下カレイといった美味しく新鮮な海の食材、山にはしいたけ・カボス・梅等すばらしい食材がいっぱいあるからこれらを扱う一流の調理人が多く何処にいっても美味しい新鮮な料理が食べられる、おまけに温泉地帯でもあり、一流の旅館やホテルがある様に彼らにも一流のホテルに泊り仲居さんの姿勢や接待などの行動を見て教育の一環としたり、一流の料理を惜しみなく堪能させたりした。
食べることと飲むことは棟梁でも新入社員でも平等にしている、忘年会や日頃の飲み会でも位階の上下は何もない、ただ美味しいものを戴くことができるのは施主様や協力業者・先輩達のお陰だと言い聞かせている、そうした上下の関係をなくして感謝の気持ちを忘れないようにと言い聞かせた、ところが数年前義母がなくなり初盆を迎えても若い社員は誰一人もお参りに来ない、義母が若い人たちにどれだけ差し入れや愛情を注いだにもかかわらずこのありさまに唖然とした、感謝の気持ちだけで、来るべきところで気がまわらず態度に出ない、ここまで教えなければならないのか…
木の文化の継承・日本文化の継承世の中は随分変わって来た、仏間もないところが多いせめてスペースぐらいはと思うが…それに殆どといっていいほど床の間がない無駄なスペースと思っているのかそれとも神仏は心の中にあるものと思っているのか…大抵の願い事は銀行に行き手を合わせれば解決できる世の中…笑い、儲けの追及は時流に乗らなければならないのかも…一方我が社は人界戦力・非合理的・墨付け手加工で時間が必要又猫も杓子も入社させる…ああああああ~大変
文章を綴るのも大嫌い…娘が私に黙ってイランことをするから余計な事が増えた‥それより早く嫁に行け