投稿者アーカイブ: 藤丸 直行

一年の終わり

 今年は年初めから多忙であったが若者達に囲まれ又成長を見ながら無事に進捗し終えた、工務・営業・設計や事務の中で工務がこの2〜3年随分成長してきた、技術の習得は勿論人間的にも豊かな心の持ち主に変化してきた、出来た個々のすまいを見ると一目瞭然である、15年前から見ると信じられないぐらい進歩してきた、本人の努力も当然ながら御施主様方々や協力業者様の御支援や援助があっての賜と心から感謝しています。

 年初めにこれだけは完工すると決めておいても、例年年末にはキッチリ余裕を持って終わっているのが工務です、今年は25棟6億円の工事を完工してくれた、決して簡単な工事ではない、毎年各人からのニーズは難しくなっているし、価格も良い物を使う割には少しづつ下がって来ているそんな中での成長はひとしお価値がある。

 住まいづくりに従事して46年、建設業の許可を頂いて丁度35年が経った、今も上棟の日は朝から若者に交じって釘袋を締め金槌を振るっている、何時まで出来るか分からないが、今後も続けて行く、そして恩恵を受けた方々の住まいを何時までも守っていく為には、後継者育成は不可欠な事、人の命は長くて100年、自分等が手掛ける暮らしを守る住まいは何百年も耐久性がある、だからこそ跡取りは必要なことです、血縁とかは無視で皆で守って行くと言うのが本音です、継承していくことも大切な恩返しの一つです。

今年1年ありがとうございました。

気ままな独り言

 先日私宛にブログをもっと頻繁に載せてください、そうしたコメントを貰い、私の書いた独り言でも目を通してくれる方がいることに感謝しています。

人は急に「何をしたい」・「今なら何でもできる」とか、怖いものは何もない ⋯そんな境遇に陥り、感情が広い心の中で静に昂ぶる事がある、そんな時刹那に事を起こせば少なくとも飽きないで長く続く、一寸でも時間が過ぎれば消沈してしまう、このブログもそうではなく「気ままにやろう」そんな気持ちがあるからいけない事だと思います、今回はこうした後押しをしてもらうと、私みたいなものでも …と思う。

 それにしても前回から2か月も経っているとは思わなかった、アッという間の1年、今年も怪我なく健康で皆が新年を迎えられることが1番であり、その次に1年の反省、もっともっといい住まいは出来なかったのか、特に技術面の改革や提案は一入である、「安心して暮らしを楽しむ」、本来のすまいづくりが本当にこれで良いのか疑問に思うことがある、重装備した大量生産住宅よりパッシブ住宅を造るには、より良く地域を知らないといけない、大分県は湯布院や九重町・久住町のように、冬に入ると極端に寒い地方もある、この地方での結露の出来ない住まいづくりが性能を上げれば上げるほど1番難しい、今この寒い地域のプランを引き受けています、何とか新しいCADでプレデンも出来るようになってきたし、来年は私を必要としている方にはチャレンジして行くつもりです、勿論後継者育成・自然素材・手作り手加工・地産地消の住まいづくりは揺ぎ無いものです。

 Aさんありがとうございます、「頑張ります」、若い社員達の御指導を今後もよろしくお願いします。

 

 

 

 

想い

 先日後継者育成12回目の記事で御施主さまよりコメントを戴きました、ありがとうございました、12回で終えたことは、ブログよりも、もっともっとすることが沢山あるし、まだ未熟な自分には到底早い気がしました、そうした訳で身勝手ではありますが一応閉じました。

 今はひたすら手づくりの在来工法をプレカットのスピードと精度(手加工は強度面では1.4倍増しになるがスピードと精度面で劣る)に負けない様、真剣に努力をしています、その上で環境やすまい手のニーズに合った差別化したすまいを如何に「丈夫に美しく早く長持ちする」様に造るかです。

 「良い家」とはこうしたバランスの取れた建物に、つくり手皆の「想い」が一つになる事が一番大切なことです、この「想い」を打ち込む気持ちの深さこそが曾宮さんの言う良い家に繋がると考えています、この想いを発動させる事が住まいづくりに於いても、人材の育成でも一番難しい事です、想いのこもった住まいは出来上がった時に違いさ「気」がはっきりわかります、全てのすまいがそうあってほしいと何時も思っています、そうなるには時が必要ですが今後共真剣に取り組んでいきます、どなたもご協力をよろしくお願いします。

新構法

何時もどうすれば皆が良くなるか、又良い工法や提案はないか何時も考えているのが日常です、フジマルファンの方や社員・協力業者の皆さんや当然地域が良くなる事です、具体的に言えば、地域の材料で価値のある「すまい」を安く・早く・丈夫に長持ちするようにつくる事です。

 

 この1〜2か月のひらめきは瓦(台風や強風で飛んだり割れたり)がなくても完璧に近い水漏れしない構造のすまい、早く丈夫に安く・長持ちする、おまけに合板を一切使用しない「完全無垢」の住まいを今試みようとしています、劣化や換気に考慮した今まで以上に夏は涼しく冬暖かい遮熱を利用した構法です。

 

今度の住まいで試みようとしています屋根断熱から上の材料をすべて防腐・防蟻処理した加圧注入材(タナリス4等級)を使用します、この意味は今外来種のカンザイシロアリ(ハワイ島に生息)がすでに日本に入って来ています、九州は熊本県で発見されています、このカンザイシロアリは「乾材」というように乾燥木材を食べ巣をつくる事で厄介な外来種のシロアリです、大分県に入って来るのも時間の問題と言われています、将来の事まで考えての防腐・防蟻処理した加圧注入材を使用します、外断熱から上の屋根部分ですので、人の健康には害がありません、健康・環境・省エネ・長持ちする、真実のすまいづくりには呼吸をする「無垢」の「木の家」が断トツに一番です、ただ残念な事にこのゆるぎない素晴らしい「木の家」を造るほうも、住まわれる方も熟知していないように思える、せめて私たちだけでも皆の為に真剣に取り組んでいこうと思います、どなたも惜しみないご協力をお願いします。

 

 

相対湿度と絶対湿度と腐朽菌

 すまいづくりに非常に大切な事です、それは家の中の「絶対湿度」がどれだけあって相対湿度がどれだけかと言う事です、

絶対湿度は1㎥中に含まれている水分量で単位はg/㎥で表す、絶対湿度の移動は多い方から少ない方に移行します、(相対湿度の高い方から低い方に流れるのではない)このほど管理棟の温湿度を計測しました。

室内温度26.1℃・相対湿度52%・絶対湿度は0.011g/㎥

床下温度20.4℃・相対湿度69%・絶対湿度は0.01g/㎥

という事で管理棟は室内が若干絶対湿度が高いので湿気は床下の方に流れます。

この場合でも床下外部側の土台・間仕切り土台・大引きの含水率が12%〜14.3%・杉下地板が12%〜15.6%いづれも20%を切っていますので腐朽菌の繁殖はありえない。

 因みに木材の腐朽菌は含水率28%前後から生えてきます、

相対湿度が85%以上になれば、木材の含水率が上がります(28%前後)ので腐朽菌は生えて来る危険性があります。

エジプトでミイラが入った紀元前2千年前の木の棺がピラミッドの中から新品同様に発見された。腐朽菌が生息する条件は「酸素と適度の水分、適当な温度、養分」がある事です、この4つ条件が一つでも欠けても腐朽は起こりません。

酸素を経ったり温度をコントロールすることは難しいので水分の管理が腐朽菌の生育を抑制するポイントになります。