投稿者アーカイブ: 藤丸 直行

新年

 

 すまいづくりを「健康・省エネ・環境」に集中してきた、この事が本当に正しくわが社に合った道である、そう思いつつ永年社員に鼓舞してきた、すまいづくりを試行錯誤繰り返しながら現代まで至るが、クライアントからはそれほど「揺るぎない3要素のすまいづくり」は印象に残ってないように感じる、寧ろ我が社の感動ある社員や生きた建物に魅かれる人が多い、性能などは他社と違う事をじっくり説明しないと分からない、何故かしっくり来ない気持ちをずっと持ち続けていた、ある雑誌に歴史上特に素晴らしい数名に絞った人物に聖徳太子の名があった、聖徳太子は皇室の出身でありながら仏教を布教して、八宗兼学といわれた大変な人、聖徳太子の重要な業績の中で、「一人の人間が同時に複数の宗教を信じてもいい」という日本独自の宗教観を世界で初めて生み出した。この聖徳太子の哲学が日本人の宗教観を決定的にしている、だから日本は宗教戦争も宗教対立も一切起きない。

 日本の家庭には神道・仏教どちらも祀ってある、尊敬できる神道や宗教を選ばれることです、相手を悪口を言うのではなく自分に合った尊敬できるものを選ぶ、これが日本を平和にし発展させた国民性の源のようです。

 現代は衣食住不自由なく育ってきた若者、尊敬という言葉より「好き」なものを選ぶ、どんなに正しい・どんなに素晴らしいものと思っていても、好き嫌いではっきり選択されてしまう、今からのすまいづくりは好かれなくてはならないことです、だから好かれるためには「魅力」づくりが必要です。我が社のすまいづくりは「健康・省エネ・環境」は当たり前で、何よりも「魅力あるすまいづくり・魅力ある後継者育成・魅力ある組織づくり」を目指そうと新たに鼓舞した新年です。

アルプ出展への想い

 今、手刻みや手加工といった仕事こなせる大工職人が激減している、新築・増築・改築・古民家の改修も木の家の存亡が危機ににさらされているのです、木の家の良さは何事においても最高(健康・省エネ・環境)なのに後継者がいない、そんなことを言い続けて早20数年経った、当時5Kといわれた職種に若い人達を集めるのは苦渋の選択でした、そのうえ入社しても直ぐに辞めてしまう、どんなに将来性があっても、存在の意義があろうと、又言い聞かせても理解してもらえない、(指導する自分の未熟さも大いにあると反省の山・・・)今も棟梁にもう一歩というところまで来て辞めていく若者もいる、せめて棟梁になってから辞めて貰いたい、そういう事をいつも言っているのですがそれも解かってもらえない寂しい思いもあります。

 後継者育成は大変なことですが、確実に存在の意義や価値を知り地域に何を提供するのか分ってきた棟梁等や見習いは増えて来ている、良い職場には良い人たちが集まるものです、今年は営業も増えバランスは相当に取れてきたように思う、こうした頑張る若者達にいつの日か「陽の目」を拝ませてやりたいそんな意味も込めてアルプの出展を決意した。小さな一工務店が総合展示場に参加するのは資金面で大変であるが、協力業者の皆さんに協賛戴き、全社員の手でプランや計画を立て施工しどこよりも早く完工出来た、途中私に何度か聞きに来ることがあったが、その都度「失敗しても良いから思い切りやりなさい、失敗しても次の糧になる」・・・と、工事中数回程足を運んだ、若者達は皆生き生きとした表情で作業をしていた、出来上がりを見て本当に感性の籠った素晴らしい建物が出来たと心から思っています。

 アルプの常駐に関しては、我が社で建てた住まい手の御施主様(ふじまるファンズの方々)が来場者のコンセルジュに当たってくれています、10名以上の方々が交代で案内役を務めてくれているのです、これは本当に素晴らしいことです、心から感謝しているし御恩はわすれられない。来場者の集計では2番目相当に多いと聞きお客様の評価も大分良いようです、コンセルジュの皆さんは木の住まいの気持ち良さやその他をよくご存知です、今後ともよろしくお願いします。

                                                                                                                    

親父

 昨年の8月に親父が脳梗塞で倒れ今年の7月に天国に旅たった、倒れた当初は1週間がヤマ場といわれたが、みんなの努力の甲斐があってなんとか会話を交わす事が出来、自分で食事をとるまで回復した、後はリハビリだけの状態、元々90才まで大きな病気はしたことがなく帯状疱疹で1度だけ病院にお世話になった、それほど頑丈な体をしていた腕の大きさも一升瓶より大きいと自慢していたが、闘病生活でみるみる細くなった。筋肉の硬直を防ぐため毎日のように手をさすり・揉みながら筋肉の堕ちて行くのを感じた、思い残すことのないよう子として最善を尽くしたつもりでいる。

 会社では後継者育成という大義名分を掲げているように、若者達に良い手本を示さなければと思い、子が親の面倒を見るのが当たり前であり決して珍しいことではない、そんな風な立ち振る舞いを皆に見せた、又親があり自分が生かされているという事実も感謝し、親への恩義を忘れてはならないでほしい、わが身・わが心は親からの授かりもの御先租様のお蔭と大切にしていかなければならない。

 親父は労働を美徳と考え倒れる90才まで働いてきた、汗を流すことにより生活の糧を得る大切さ、働くことにより心は成長する、非凡な人間も何時しか高邁な人へと変貌する、この教えはありがたく思っているし実行して行くつもりでいる、だから今も忙しく親父の事を懐かしくな〜て思う暇がない、ただ家に帰れば合掌するぐらい。

 今年も色々あったがあっという間に残す2か月となった、ALP(アルプ)のオープンも残す一月足らずいつの間にか全社員や協力業者の皆さんのお蔭で工事の進捗も問題ないようです、皆で造った住まいの完成を楽しみにしている。

 

 

物言わぬ素晴らしいもの

 父親が倒れて今年から田畑を引き受ける事になった、特に田んぼは荒らすと近隣に迷惑がかかる、それ以上に今まで親父やおふくろが培ってきたものをたやすくやめるわけにもいかず、今年は田起こしから肥料や除草剤その他を独りで行った、元々苗植えは毎年私の担当でしたから問題はない、田起こしや代かきは初めてである、見よう見まねでしているとありがたいもので近隣の方がこうした方がいいよ等又差し入れを戴いたり励ましを受けて無事に田植えを終えることができた、昨年は苗がまだらに成長して恥ずかしかったが今年は肥料も気遣いながらやったし、代かきも近隣の人からおそわったりしたので、ムラのない成長が期待できるようです、手を掛けてやるほど良いものはできる、これはものづくりの原点であるし、生き物に対して大切に育てる想いが通じれば、「物言わぬが」素晴らしい物が出来ます。

 何でもやる以上は「良いものを絶対に造る」そうした姿勢が大切と思う、住まいづくりも生き物です、生きた住まいは中に入った瞬間に何とも言いようのない気持ちのよさを感じる事ができる、それは真剣に造った住まいほど増幅してくる。

 木の住まいは本当に難しい毎日一所懸命取り組んでいるが、湿気による収縮やそれどれの育った土地による癖や変形・色合・あく等化粧として使っていくうえで大切な見極めだらけ、1本として同じ物はない、それは自然から生まれたものだからです、毎日違う環境で木は酸素を作りながら成長します、切った後も形がある限りしっかり炭酸ガスを閉じ込めています、どんなものより優れた環境に良い建築材料です、又解体時や施工時に必要とされるエネルギーも鉄骨造やコンクリート住宅から見れば微々たるもの省エネでも断トツです。

 私は昔金魚鉢を木製で造りガラスケースの金魚鉢と同時に稚魚を飼育したことがあった、1週間で大きさ変わりはじめ2週間では相当違ってきました、酸素も入れないで大きくなっただけでなく、なんと氷が張った状態でも越冬できました。

 よく子ネズミで実験したデーターはあります、鉄の箱とコンクリートの箱そして木の箱、勿論1番長生きして大きくなったのは言うまでもなく木の箱でした、生き物はネズミも金魚も自然の中から生まれたのです、自然の中で生きることは何も珍しくはないのです、当たり前の事です、人も自然素材の中でくつろぐ事は自然のなかにいる事と同じように気持ちのよいものです。

 我が家も増築してすごく気持ちよさを堪能しています。

 

 

 

 

 

 

 

継続

 久しぶりに書くというか伝えるというか、私にとってブログはチャレンジです、何故かしら今年に入り覚えることが山ほどあり5月の連休も1日も休まれないそんな日々です、今でも毎日することや新しく覚える事が多く頭脳の回転が悪い自分には大変です。

 皆に言っていることは真剣に作業をしなさい、どうせ1日仕事に出たなら真剣にして皆から好かれ、仕事を早く覚えた方が得ですよ、それを毎日繰り返せばやがて素晴らしい棟梁になるし、多くの人から慕われるようになりますといっています、それは継続するという事ですが、工務店も30年も経てば多くは廃業か倒産しています、工務店の継続は跡取りや後継者の育成を如何に早くから考えているかです、幸い我が社は跡取りがいますかといって安心はしていません、来年は65歳になるがまだまだ若い人に負けたくないから事務職より肉体労働をしたいとそのように思っている、先日も上棟に行って金槌を振ったのですが明らかに耐力や筋力が落ちているのがわかる、棟上げの日はどんなに寒くても暑くても関係はない、目覚まし時計もかけたことはない遠近により5時〜6時には必ず目が覚て朝食を食って出る、月に1〜2回程の棟上げも45年続けた、行かなったのは入院中と出帳の2日のみ、これからも継続していくつもりです。

 ブログの継続は頭が悪いから難しいと思う、なかなか想いを伝えることができないし表現の難しさもあります、ただ何名かの人たちが読んでくれています、そのことを思えばこれからも途切れないように(反省)伝える努力をいたします。