投稿者アーカイブ: 藤丸 直行

大工

 

 大工が全国で約40万人いる、そのうち50〜60代の方が60%だそうです、残る40パーセントの中で木を見て墨付けのできる大工はほんの僅かsmiley、毎日木材と葛藤をして本当に木がわかるのは30年はかかるでしょう、これも確実ではない、木を見ることができるのは、ただ毎日毎日木を熟すことしかないと思います、自然の材料だから同じものは1本もない、多く経験を積むことで似たか寄ったかのものと出会うぐらい、本当に健康や省エネ・環境に良いといっても、この木材を使い熟せるまでが大変です、構造材を国産材に変えて約25年たった、大工職人の成長とともに良い木材も入手出来、昨今の技術はかなりのものと思う、木の住まいの安全性はすべて大工職人の手に委ねることになる、責任はだれよりも重いから真剣になって修業を積み希少な大工職人になって、本物の住まいを造り続けてほしいと願う。

 今年の春は5名の若者が大工修業に来る、どうか途中離脱しないで大工棟梁を目標に頑張ってほしい。

 

 

 

 

2017年(平成29年)

 昨年の書初めに「魅力」と書いた、一年のキーワードで魅力ある会社や組織・個人づくりを目指した、己が未熟だから昨年のキーワードは大変であった、その証拠に書初めの『魅』の字の中のムが抜けていた、誰も解らず随分後でわかった(笑)、今年は「御恩」を自らの心のキーワードとし、仕事をするのではなく、「させて頂く」このことを毎日提唱してまいります。

 今年は大工・左官を目指す若者が5名入社します、一人前の棟梁・豊かな心の人になるよう厳しい指導を行います、又昨年は途中離脱がない年でしたが竹本棟梁が卒業しました、今年語学留学を目指してのことです、これからは国際社会身近になった海外の人たちとの交流も多くなるでしょう、こうした理性は職人でも大切です惜しみない協力をしたいものです。

 今年もどうぞよろしくお願いいたします。

2016年の終わりに

 一番緊張する場面に地鎮祭時に、「玉串奉奠」の儀式がある、玉串をお供えして拝礼するほんのひと時の場面です、結界の中で工事中の安全祈願と、二拝・二柏手・一拝をするのですが、どうも神々の前では柏手を毎回よく打てない、頭をカラッポにして邪心を捨て練習までするのですが、本番になると神官さんのような心地よい同じ音は続かない。緊張の場面も今年は沢山いただき、それなりに安全祈願を行った故、大きな怪我がなく無事に年末を迎えられた、これが後継者育成の中で何よりも一番嬉しいことです、親御さんから見れば当然怪我なく一人前になって帰ってくると信じているのです。今年は途中離脱もなく若者達が「心技体」共ずいぶん成長してくれた、その中で飯尾君と中村君に棟梁の証と称号を与えた、二人とも今年に入って辞令を出す予定でした。

 魅力ある会社や組織には良き人材が集まるものです、来年も5名程入社が決まっている、良き人材に育てるにはまず己を磨かなければならないと思っています、今年以上に精進を続けて心のこもった高性能な本物のすまいづくり「木の文化の継承・後継者育成」に邁進いたします、  今年もいろいろな方々に支えられ無事にここまでこれたことに心から厚く御礼を申し上げます。

                                      ありがとうございました。

 

 

当たり前で意外と知らない

 地球温暖化対策CO2排出量は(2013年の統計)地球規模で約330億トン最も多い中国で約95億トンその次がアメリカの約52億トン、日本は約12億トン CO2の重さは50×20のプールで1.5mの水をCO2に換算して約3トンだそうです。今私たちが造る住まいは約35坪で24トンの排出量を抑えています、先ほどのプールで8杯分です。この数字は普通の住宅の約2倍です、わが社の住宅は合板や新建材を使ってなく、すべてがムク材の杉材か檜材だからCO2の抑制では一般の住宅より大きく貢献しています、当然低炭素住宅は認定が取れます。

 わが社一年間で約20か所にエコキュートを設置していますが、10年と差額換算で約9トンの排出量の抑制です。木のすまいは温暖化対策にすごく寄与しているのです、それも50年以上です。

 昨今原木がすごく値上がりをしています、バイオマス発電の燃料にかなりの量が使われているのが原因と買い攻めが入ったようです、原木はそれでもかなり安い、一番労働している一・二次産業の報酬は本当に安い。

 大工さんに1万円払うとしたら福利厚生面や退職金、その他いろいろなものを合わせて社員化すれば最低でも2万円はかかる。素晴らしい仕事をしているのだからそれなりの報酬を払いたいが・・・・職人(プロ)は足跡を早く広く残さなければそれなりの報酬はいただけない、又今は人間性が問われる時代、仕事が出来、魅力がなければ次の仕事は回ってこない。ものだけでなく、会社や組織も魅力あるものを目指さなければと思ってます。今年も残す僅かになった関係者が風邪や怪我などせぬよう願っている次第です。

育つことの喜び

 

 後継者育成で何より嬉しいのはまず怪我をせずに若者達が一日一日技術・モラル面が向上していくことです、人それどれ性格が違うように進歩の度合いも違います、今回5年目の修行をしている金子班の中村君が某邸全部の墨付けを背負った、過去に土台や2階桁等部分的な墨付けは経験がある勿論素晴らしい出来であったから,今回の現場は金子指導棟梁の指示で全部墨付けすることになった、それを聞いたとき今回の住まいは大きく一寸複雑一抹の不安はあったが金子指導棟梁が彼は大丈夫です・・と、はっきり言っただから任せようと決心する。作業の姿を横目で度々見ながら上手くいく様にと願ったものです、墨付けを重ねる打ちに何回も質問占めにあった、この現場は木材の拾い出しを私が行ったからです、あるときは私の実家まで訪ねて来た、彼の質問を聞くたびに目はいつもよりイキイキしているし、質問の内容もしっかりしていた・・・これで安心、素晴らしい上棟が出来ると思った、上棟日の午後が雨予想となっていたので、建て方を前日から1階部分のみ起こし始める事にした、丁度私は午前・午後来客があるので、朝の現場朝礼と合間を見て現場に赴く、昼過ぎに行ったときにはすでに1階部分はしっかりと出来ていた、聞くと何事もなく進捗したとの事次の日は2階部分と屋根じまい、見事というか過去にないぐらい素晴らしい活き活きした躯体ができた、直会の席の自己紹介で皆が中村君の墨付けを褒めていた印象のある墨付けでした又中村君のお母さんが上棟見学に来てくれたことはうれしく思うし、素晴らしい家族愛を感受しました。今後は技術の習得も当然大事なのですがそれに伴いモラルやソフト面等、これからの職人に必要な心得を持ち人間的に成長してくれることを心から願っています。