育つことの喜び

 

 後継者育成で何より嬉しいのはまず怪我をせずに若者達が一日一日技術・モラル面が向上していくことです、人それどれ性格が違うように進歩の度合いも違います、今回5年目の修行をしている金子班の中村君が某邸全部の墨付けを背負った、過去に土台や2階桁等部分的な墨付けは経験がある勿論素晴らしい出来であったから,今回の現場は金子指導棟梁の指示で全部墨付けすることになった、それを聞いたとき今回の住まいは大きく一寸複雑一抹の不安はあったが金子指導棟梁が彼は大丈夫です・・と、はっきり言っただから任せようと決心する。作業の姿を横目で度々見ながら上手くいく様にと願ったものです、墨付けを重ねる打ちに何回も質問占めにあった、この現場は木材の拾い出しを私が行ったからです、あるときは私の実家まで訪ねて来た、彼の質問を聞くたびに目はいつもよりイキイキしているし、質問の内容もしっかりしていた・・・これで安心、素晴らしい上棟が出来ると思った、上棟日の午後が雨予想となっていたので、建て方を前日から1階部分のみ起こし始める事にした、丁度私は午前・午後来客があるので、朝の現場朝礼と合間を見て現場に赴く、昼過ぎに行ったときにはすでに1階部分はしっかりと出来ていた、聞くと何事もなく進捗したとの事次の日は2階部分と屋根じまい、見事というか過去にないぐらい素晴らしい活き活きした躯体ができた、直会の席の自己紹介で皆が中村君の墨付けを褒めていた印象のある墨付けでした又中村君のお母さんが上棟見学に来てくれたことはうれしく思うし、素晴らしい家族愛を感受しました。今後は技術の習得も当然大事なのですがそれに伴いモラルやソフト面等、これからの職人に必要な心得を持ち人間的に成長してくれることを心から願っています。

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