住宅の構成(床)

 通常木造の床には1・2階がある、昔は大引きの上に松板厚さ18〜21の幅広板を並べてその上に畳を敷いたりそのまま板敷にして、蚕を飼ったりして仕事場を兼ねた住まいが多かった、1年に一回は畳をあげて干し、床板を取って床下の換気をよくしていた、2階はあっても中2階が多い、古民家はこの中2階の板を外して吹き抜けにすると、何とも言えない歴史を刻んだ趣きのある空間ができる。(この時に高断熱施工をしなければ冬寒く、夏暑い)

さて40年前位は大引きに米松の根太45×45、30年前は大引きに米松の根太45×60、それどれ@303で入れて、新建材の床板(フロアー合板厚12mm〜15mm)単板貼りが多かった、30〜40年もたてば床板の接着剤が切れて床板がへこむヵ所が良くあります、この場合は根太と根太の間にもう一本入れると殆ど治ります。

 わが社は大引きに檜45×60の根太を打ち、下地に縁甲板のC品を斜め貼り(水平応力を考慮して)、仕上げに15mmの檜無垢の縁甲板を貼ってあったが、此処4年前から根太なし工法に変えた、長期優良住宅を施工した際構造用合板(24〜27を使用しなければならない)を使って違和感を感じた、その後すかさず無垢の板33mmを下地にして床板の仕上げを行ったら、床が今まで以上に縦横共丈夫(断面係数が大きくなった)になり、床鳴りがしないし、木材費も安くなり、施工も早くなった、何より上棟日に下地床が出来るので安全性が向上した。

30年前に根太なし工法を2件ほど自分の考えで施工したことがあったが、下請の為その会社が取り入れなかった、当時画期的で特殊合板であったから価格が折り合わなっからしい、この時期は全て合板だらけで、無垢材を使用する考えがなかった、合板は何時かは接着剤が切れるので、構造材の合板や積層材は使用したくない。(通常の住宅は構造用合板や積層材を殆どが使っている)

 わが社は後継者育成のため無垢物を使っている、床板の合板は素人の方でも貼れるが無垢の縁甲板をきれいに貼るのが難しい、まず全ての梱包を解き一枚一枚色や柄、元やうらを見ながらこの商品はどこが1番あっているか瞬時に選択していく、1枚も同じものがないから、人によって出来栄えはみんな違ってくる、修行を積むほど素晴らしいものができる。

 

 

 

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