新構法

何時もどうすれば皆が良くなるか、又良い工法や提案はないか何時も考えているのが日常です、フジマルファンの方や社員・協力業者の皆さんや当然地域が良くなる事です、具体的に言えば、地域の材料で価値のある「すまい」を安く・早く・丈夫に長持ちするようにつくる事です。

 

 この1〜2か月のひらめきは瓦(台風や強風で飛んだり割れたり)がなくても完璧に近い水漏れしない構造のすまい、早く丈夫に安く・長持ちする、おまけに合板を一切使用しない「完全無垢」の住まいを今試みようとしています、劣化や換気に考慮した今まで以上に夏は涼しく冬暖かい遮熱を利用した構法です。

 

今度の住まいで試みようとしています屋根断熱から上の材料をすべて防腐・防蟻処理した加圧注入材(タナリス4等級)を使用します、この意味は今外来種のカンザイシロアリ(ハワイ島に生息)がすでに日本に入って来ています、九州は熊本県で発見されています、このカンザイシロアリは「乾材」というように乾燥木材を食べ巣をつくる事で厄介な外来種のシロアリです、大分県に入って来るのも時間の問題と言われています、将来の事まで考えての防腐・防蟻処理した加圧注入材を使用します、外断熱から上の屋根部分ですので、人の健康には害がありません、健康・環境・省エネ・長持ちする、真実のすまいづくりには呼吸をする「無垢」の「木の家」が断トツに一番です、ただ残念な事にこのゆるぎない素晴らしい「木の家」を造るほうも、住まわれる方も熟知していないように思える、せめて私たちだけでも皆の為に真剣に取り組んでいこうと思います、どなたも惜しみないご協力をお願いします。

 

 

相対湿度と絶対湿度と腐朽菌

 すまいづくりに非常に大切な事です、それは家の中の「絶対湿度」がどれだけあって相対湿度がどれだけかと言う事です、

絶対湿度は1㎥中に含まれている水分量で単位はg/㎥で表す、絶対湿度の移動は多い方から少ない方に移行します、(相対湿度の高い方から低い方に流れるのではない)このほど管理棟の温湿度を計測しました。

室内温度26.1℃・相対湿度52%・絶対湿度は0.011g/㎥

床下温度20.4℃・相対湿度69%・絶対湿度は0.01g/㎥

という事で管理棟は室内が若干絶対湿度が高いので湿気は床下の方に流れます。

この場合でも床下外部側の土台・間仕切り土台・大引きの含水率が12%〜14.3%・杉下地板が12%〜15.6%いづれも20%を切っていますので腐朽菌の繁殖はありえない。

 因みに木材の腐朽菌は含水率28%前後から生えてきます、

相対湿度が85%以上になれば、木材の含水率が上がります(28%前後)ので腐朽菌は生えて来る危険性があります。

エジプトでミイラが入った紀元前2千年前の木の棺がピラミッドの中から新品同様に発見された。腐朽菌が生息する条件は「酸素と適度の水分、適当な温度、養分」がある事です、この4つ条件が一つでも欠けても腐朽は起こりません。

酸素を経ったり温度をコントロールすることは難しいので水分の管理が腐朽菌の生育を抑制するポイントになります。

後継者育成その12

 今年も大工見習いの新入社員が3名入った、この20年間毎年何人か入ってくる様になったことは嬉しい限りであるが、厳しい修行に耐えられなくなり辞めてしまう子もいるのも事実、本当は全員一人前の棟梁になって卒業して貰いたい気持ちですが、教え方が悪いせいか、技術面の習得が出来なかったり、当たり前のソフト面が分からない子が途中で挫折することもある。

 このソフト面の教育は殆ど当たり前のことばかり、この当たり前のことが言えない・出来ないのが事実だった、20年前上棟式等の後、直会でも「頂きます・ご馳走様でした」…で終わってしまう子が殆ど、数日経って再び施主様にお会いしても、前日何時間も労のねぎらい等を受けたにも関わらず感謝の気持ちを態度や言葉に表さない、「こりゃ〜可笑しい」という事で感謝の言葉「(先日・夕べ・その節・この前)はありがとうございました」の練習を私が事あるたびに言わせた、何と率先して全員言えるようになったのが2年もかかった、この事だけでも当たり前の事がこんなに出来ない、当時の言葉にはマニアルであって心がない、存在のアピールは心が必要そのためには、一番一流と名の着く飲食店やホテルや旅館での宿泊宴会又海外研修等視察に行き、応用力や感性教育を行った、特に海外研修では多くの若者達が帰国後に大きな成長を感じられるようになって来た、経費は掛かるが今後も海外研修は続けていくつもりでいる。

 ツールや部品を2〜3に絞り依り早く技術の習得向上,それに少ないツールを使い分ける応用力を養い、一流の飲食・賄い等堪能し又海外では豊かな感性を養い、今やっと心のこもった建物や豊かな心を持った社員が全員とは云わないが多く育った事は間違いがない、キャッチフレーズの「気持ちを込めた木持ちの良い家」今後ももっともっと気持ちが入り「品質や性能の向上・地産地消・感動のすまい」このぶれる事のない4Dのすまいづくりそれに後継者の育成は当然として続けていく方針です。

 これも多くの施主様やファンクラブ・ファンの方々それに惜しみなく協力をしてくださった、協力業者の皆さん方に出逢ったからここまでこれました、小さな事・目先の経験しか書けなかったけど心から感謝を申し上げ真に勝手ながら後継者育成のブログを休ませて戴きます、ありがとうございました。                           

後継者育成その11

年配の熟練工がいろいろ言うたり、動いて働いても当たり前に思うし、差して何も感じられないのが普通ですが、まだ若い人達がひたむき一生懸命に動いている姿勢は、すがすがしく気持ちが良い。ひげが伸びていてもファション間隔に取れる場合もある、(えっとないひげを鏡の前で毎日剃りながらそう思った事もある。)この若者達に行儀や躾が加わったら、さぞかし美しく魅力のある職人像になるであろうと、彼等が根付くとそう考えるようになった。

 さてどうして作法を教えたらよいものか、金髪・白髪・がんぐろ・丸坊主(女)・耳にはいくつ物耳飾り・首にはタオルを忘れても首飾りは忘れない若者、そして彼らの乗る車は車高を落とした地面すれすれの車・壊れかけた車・耳を引き裂くような爆音の車・改造車、まともな容姿をした若者の方が少ない、若い頃は2度と来ないからそうやかましく行った覚えもない、寧ろ当たり前ぐらいに思っていた。とにかくこうした考えや格好は長続きはしない、遅かれ早かれ理性が芽生え本当の美しさやきれいさが分かって来る。

 こうした若者達を理性を目覚めさせ育成するには、肩をならべて、彼等と信頼関係をつくらなければならない、そこでガムシャラに働いた後、月に何回も飲み会を催した、それも徹底的に飲み食いさせて店が閉店になるまで若者達と会話を交わし続けた、吐いたり騒いだり何処でも寝たりした事もしょっちゅうあり、ある日店のオーナーから「もう少しおとなしく行儀良く飲む事は出来ないの」呆れた様子で言われた事が何度もあった、今思うと申し訳なく又気持ちよく最後まで飲ませてくれたいろんな店の方々に感謝して居る次第です。

 その時の勢いか今でも飲み会は閉店まで徹底的に飲み食いをさせている、当時と違うのは行儀が大分良くなったか、酒が弱くなったかどちらかです、とにかくこうした事で彼らとの信頼関係や若者たちのすばらしさも分かって来た、四角や丸の豆腐を造るのも入れ物次第、必ず10年〜15年先の将来は明るいと確信を持ち、じわり・じわり前向きに進んだ。

 3〜4年経ったある日、御施主様から引き渡し後にディナーに呼ばれた時、そこの奥さんから工事に掛かる前担当をする一人に金髪の若者がいた、「こんな容姿をした若者で大丈夫かと疑った」、工事途中彼の挨拶の励行や一生懸命ムダ口を叩かず最後まで丁寧にしてくれた事に、一時にせよ容姿だけで疑った事に申し訳なかったと感情をあらわにして本人を前で詫びを入れてた事が印象に残っています、勿論この若者は今立派な棟梁として御施主さまから絶大な信頼を受けて折、又3人の父親になって我が社に君臨しております。