檜風呂

 16年前に建てた住まいに自社の檜風呂を設置していた御施主様よりTELあり、漏れてはいないが底が黒ずみ痛んできたから見に来て・・・、この当時は差別化を目的に檜風呂(木曽檜300年物)を意外に多く提案していた、10~13年ぐらいの耐久性と伝えていた。懐かしさもあり自ら訪れた、挨拶をする前に16年経った外観をジィート眺め施工当時を思い浮かべる、さした変わったところはないが木の板壁は年輪が出て自然と美しくなっていた、16年では塗装が早すぎると感じる・・・そんなことを想いながら呼び鈴を押す、浴槽のこともさることながら、久しぶりに施主様とお会いし、懐かしさで時間を忘れ会話が弾む、肝心の浴槽は16年も経っているのに底板の隅が傷んでいただけで周りの檜板は美しく、解体しないで底部分のみ増し張りをすることで了解をいただいた、増し張りは簡単に施工が出来、気持ち良い浴槽に蘇る。

 当時も今と同じ外断熱でペアーガラス使用のすまい、断熱材の種類が変わったが建材やクロスなどいっさい使用しない自然素材100パーセントのすまいで、ほんのりと木の香りがあり気持ち良く生活されていた。

 当時の担当が阿南美根棟梁だったので、当然阿南棟梁に行かせた、一所懸命に造ったから修理に行きたいと思うのはみんな同じ、懐かしく感じ我を忘れその刹那の境地を味わうのである、造った本人ならではの感激である。

 

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