大工職人の育成は忍耐力から始まり・躾・刃物の研ぎ・刃物の使い方・電動工具の使い方それから現場で棟梁に就いて修行修練をする、ある程度できるまでには平均3〜5年の歳月それ以上は本人のやる気しかない。
一人前になって実働8時間で25日の出面、常用大工で12,000円〜18,000円ぐらい、中を取って15,000円としたときに、月375,000円、一年に300日働いて(この数字は厳しい)4,500,000円。
35年働いて2,000万の退職金と仮定した時、年に約57万貯めなければならない、つまり年収393万になる。その中には命の次に大切な道具代がいる、勿論消耗品だから一生使えない、それに税金・健康保険・年金も全額手出しになるこれも大きい、それに道具を乗せる車も要る、交通費・作業服は当然要る、こんなことを考えると、割に合わない職業になる、一次・二次産業の宿命か…いつの日か…と思うが
彼らには生活の糧だけを目標に於けばあまり楽しい仕事ではない、人生の糧や住まい手に喜んでもらえる事は又別物…と言い聞かせてある、「ものづくり」の喜びはお金には替えられない沢山の喜びがある、それは一生懸命に造った造り手と住まい手の間に信義・信念を通して「感謝の輪」が生まれる、それがあるが故楽しい、それらを均せば全て世の中は平均でバランスが取れる。
自分で造った物が100年以上も現存する、己が死に絶えても建物は残る、又この間住まい手に喜んでもらえる、もの造りは造る喜びと、造った後の住まい手との繫がりに奥が深いから飽きないし、究極の答えの追求に勤しむことが出来る。
建物の技術改革にも当然取り組んだ、オリジナル外断熱工法・外壁モルタル目地なし全面塗り・べた基礎一体打ち・水平ブレス入りの下地板斜め貼り・ムク材の根太ナシ工法・昨今は竜巻や強風に対するオリジナル耐風・耐震壁、因みに最大引き抜き荷重は建築基準法外に一棟あたり120トン以上の補強・その他(地下熱利用の定温エアーシステム・免震ゴム・自動換気装置・エアー循環装置・形状記憶合金を用いた換気装置)など沢山あった、又発ガン性物質のあるホルムアルデヒロなどの揮発性化合物の測定を15年前に行い、微量で測定不可能の結果が出た、外断熱を初めてから、室内の窒素酸化物・二酸化炭素の量・温湿度・浮遊粉塵・気流の動きなど、測定機関が大分に当時なかったので福岡から呼んだ、勿論基準値以下であった、結露診断特に床下の温湿度は数年のデーターを取った事や木材の強度実験なども当然行って来た、全てすまい手の方々や若い社員のためにやって来た。
ハード面の取り組みは時間を有する。
えっ〜ソフト面!!…次回