建築 なおちゃん

 伝統の手づくりのすまい(手刻み・手加工)一言でいえば聞こえも良いが中身は大変だらけ、まず墨付けや手刻みが出来る後継者育成・作業場・乾燥材や乾燥してストックする倉庫・土場・どんなに人界戦力とは云っても重機や運搬用トラック・木を削る機械などまだたくさんいる、他の工務店はプレカットを利用している(95%以上都会は殆ど100%近い)為に何もいらんのである大工職人も下請で発注している、小さなトラック一台あれば工務店は成り立つ、おまけに早く現場が汚れずに完工出来引き渡しになる、管理さえしっかりしていけばよいのである。人口が減ってきた挙句建設労働者が高齢化になり辞めていったり、きつい仕事ゆえ楽な仕事にシフトする人達も多い、人手が足りないから全自動の機械(プレカット)が出来た、プレカットが出来て30年になるが私も当初は取り入れた非常に楽ですといいたい、しかし残念ながら職人としての達成感や技の追求に何時しか燃ゆるものがなくなってきた、40年前にメーカーの仕事を2年程したがその時も同じおもいで辞めて本来の木造に帰った。

 数少ない大工職人は武骨で頑固者が多く固いイメージ、そんなイメージを払拭するために、購入したトラックのボディーにありったけの大きな字で3方に「建築 なおちゃん」と云う甲板文字を入れた、最初は恥ずかしくて乗れなかった、喜んだのはすれ違いに通学する学童ぐらい(笑 、そんな時を思い出しながら今も時代と逆行しながら続けていくのは、環境に良い木材への想いと省エネでつくれて丈夫に長持ちする、それに揺るぎない健康住宅が出来るからです、勿論私たち手づくり「気持ちをこめた木持ちのよい家」の理解してくださる多くの人達や、ファンの皆様のお蔭と心から感謝しております。

 

 

 

 

 

残暑見舞い

 毎日暑い日が続いています皆さんお変わりございませんか?                 

お蔭で会社の皆は元気です.

 今年は特に暑い、1番暑い中での作業はやはり棟上時で屋根仕舞い、断熱材を屋根面に貼るときです、断熱材に遮熱材(アルミ箔) を貼ってあるものを使用するゆえ、夏の太陽熱を反射するので、ものすごく暑いその分家の中は熱が通らないから涼しい、このように施工は大変と思うが後の事を考えれば気持ちは楽です、この暑いときに4棟程建てる、何でもと思うが最初が1番が大変です、身体も自然も1〜2か月遅れで対応できるようになっているので、最初の厚さは身に染みる、2棟目からはだんだん慣れてくる。

 恐らく400〜500棟携わって来たが上棟だけは本当に心身が疲れる、怪我がなく上棟しなくてはならないという意識がものすごく強い、常に100点を取る姿勢で望まなければならない、もしも惨事があれば施主様や本人や取り巻く人々に大きな悲劇を与えてしまう、この事を嫌と云うほど云ってきた、無事に出来て当たり前の作業ですが本当に責任が重い1日です、何才になっても会社に出る以上は参加する予定です。

 デスクワークから炎天下の作業は心身共辛いが若者の成長が一番よくわかる。                    

なんもねぇ〜

 6月の下旬〜7月の初旬まで姪っ子の所に行く、行くといってもカナダの山奥で過去何回か誘われたが断ってきた、今回は女房が行くというもんだから、しぶしぶ行くことにした、場所はカナダのノバスコシア州でトロント国際空港で乗り継ぎをして2.5時間〜3時間いったハリファクスの町でここからまた3〜3.5時間車でビグディーの町を通り過ぎたところが、最終地点と思ったが、これより20〜30分ほど奥に引っ越すそうです、そこには電車は勿論、バス・電気もねぇ〜・携帯は通じない・道路は舗装なしのガタガタ道・とにかく何にもないところです、1日ここで泊まったが蚊の宝庫、夜は真っ暗懐中電灯でトイレに行く始末(小は何処でもよい)、あるのは広大な森ときれいに透き通る直径2kもある湖だけ、これは日本では見られない、野生のビーバーもいるし夜は蛍、クマやシカはいるが人間の香りを嗅ぐと居なくなるそうです、殆ど日中ここで過ごす、ゴルフしたりボートに乗ったり、カヤックに乗ったが転覆した日本人が初めて泳いだそうです(笑、夕食はここでをとるというか毎日誰か来てパーティをやっている、冬は当然湖も氷で真っ白スケートはやりたい放題、そんな遊びなれた国民性にどうもついていけない、すぐに帰ることが出来ない中この地で5泊した、ビグディーの街は小さいが何でもそろっている、買い物には不自由しないこの町で日本人は姪っ子だけ、姪っ子は此処で移動寿司屋を営んでいる、そのせいか私たち2人で歩いていてもみんな愛想がいい、人懐っこいから買い物は唯一楽しい、女房の体躯もここではかわいいものです(笑、だから買い物をしたがる・・・のかな)

帰りは27時間かかった大変な休暇を味わった。

自然との共生

 思うのに大分は本当に住みやすく美味しい食材が沢山とれる、特に魚類は本当に旨い、九州・山口匠の会では毎年、ふぐ鍋に多くの方々が参加する、勿論下関界隈の業者も臼杵のふぐは特別に美味しいからという事で来るのである、我が社の棟梁格も参加させる、旨い物は誰が食べても美味しいのです、リアス式海岸で海流もあり山に囲まれている、その山から陸上の有機物であるフルボ酸やフミン酸が栄養価のあるミネラルを森から川そして沿岸域に運んでいる、小魚の餌になるプランクトンの増殖や成長には欠かせない物です、美味しい食材はこうした自然形成された地域でなければ生まれないのです。心配なのは山の乱開発や山の手入れがされていないためにフルボ酸・フミン酸が出来なくなっているのが現状です、又生活排水などで川は汚れていますその証拠に貝類が絶滅しています、大分県は何処に行ってもアサリ貝は取れていました。

 私達が出来る事は切らなくてはならない時期にある戦後植林した杉やヒノキを多く使い、若木の育成をする(若木はシカの被害が甚大ですが)他はないのです、一度荒れたもの取り戻すには大変なことですが、長い目で腐葉土の出来る森を復元するほかはないのです、森が出来れば自然災害も減ってくるし、鳥獣達も住みやすくなる何もかも上手く行くのです、人間と自然は共生しなくてはならないのです。

安全と心地よさ

熊本大地震から1か月が過ぎた、想像を絶する自然の猛威に人間の力は無能に近い、あらゆるものの崩壊、特に断層のちぎれやズレに依る被害は大きく修復も難題である、基本的には断層の上には建てないことを望む、かと言ってその場所を正確に把握するのは安易に出来ない、今後はそうした地盤だけでなく地質調査をして断層の有無を正確に捉えた資料などが必要になってくる、そうなると県や国のレベルになる。

 今からのすまいは心地よさだけでなく、安全を考えなければならない天災や人災は今後も必ず起きる。これからはどんどん国際化が進む中、難民の受け入れも当然乍ら増えてくるし、某国が仮に破綻すれば多くの難民は流れ込むであろう、良いことばかりではない住まいだけは安全な場所である様、防犯やセキュリティー等‥を考慮したすまいづくりが必要になってくる、又そのためにも引き渡したら終わりでなく、我が社と御施主様のコミュニケーションをとり続け、恩義を忘れずに事あるときに対処できれる様な体制を考えている、アルプ(常設展示場)のコンセルジュを多くの御施主様が気持ちよく引き受けて下さるように、引き渡した後からの付き合いの方がはるかにながい。地域で仕事をしている以上、もっともっとすまい手のことを考えた住宅と組織を造らなければならないと思っている。