住宅の構成(桁・梁)

 桁・梁は施工上1番難しい部分です、通常梁を支える横架材が桁です、梁は陸梁・丸太梁・太鼓梁・登り梁等の呼び名があります、桁も軒桁・妻桁・間仕切り桁等の呼び名がありますが太鼓梁を除いて桁と呼ぶことが多い、この桁材も20年前は米松が主流で中には地松と言って日本の松を使う人もいました、米松は虫が入り難いが粘りが地松に比べるとない、地松は長年のうちには辺材(シラタ)部分に虫が必ず入るし、真っ直ぐな良材が取れない欠点がある、ともあれ今は森林県故地産地消の時代で県産の杉材を多く使っている、荷重を支える意味では米松・地松に劣リますが、その分材積を大きく取ったり、構造に適した木選び、又木拾いするとひけはとらないが、何といっても木選びが1番難しい、全く同じ大きさでも一定の荷重をかけた時にたれ具合が全然違う、こういう事を良く実験でやっている。

全ては熟練して棟梁になれば、この材はどちらが上か下か何処に使ったら最的なのか分かってきます、木が分からないと墨付けができない、今殆どがプレカットに移行しています、1番大事な構造部分を熟練工でない人に機械任せでは心苦しい、一寸前の事でした間仕切りの建具が外れて、いくら良くしても治らないから見てほしい、と云われて8年経った住まいにお邪魔した、2階間仕切りで図面を見ても大きい材を使っているのに、何故かと思い天井裏から覗いてみたら、その材は癖のある材で上下を間違えて使用してあった、端から1000ぐらいの所が最大10mmも垂れていた、原因は機械によるプレカットでその材を見極めることができなかった事とグリーン材を使用していたために年(乾燥するたびに)が経つにつれて下がってきた、こうなるとどうしようもない横から一本〜2本補強するしか手はない、勿論下に柱を立てればいとも簡単に誰でも出来るが、いらんところに柱が立つことになる。前にも書いたと思うがプレカットは荷重を支える面では熟練工の60%の能力しかない、精度はプレカットの方が優れていますが、1〜2年後の乾燥や化粧材の見せ方によって伸縮を考えて墨付けしますので設計図の寸法より大きくなることが殆どです。こうした横架材は100年以上もちますので、主要な継手・仕口金物はSUS304のステンレスボルト5分を使用しています。

 当社は古民家や増改築工事が施工出来る後継者の育成のために手刻み・手加工をしています、それに乾燥材と無垢材100%を使用しますので価格が坪当たり平均56万(屋外給排水・照明器具含む)前後それに消費税と設計料と諸経費が約2割ぐらいかかります。

*含まないものカーテン工事・外柵工事・浄化槽工事

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